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ips細胞

IPs細胞

IPs細胞とは京都大学の山中教授が発見した細胞であり、人工多能性幹細胞の頭文字を取りIPS細胞と呼ばれている。皮膚などの体細胞に様々な細胞や組織になりうる能力を持たせた細胞であり、再生医療や新薬開発の分野での活躍が期待される細胞でもある。山中教授はこの細胞の発見によってノーベル賞を受賞された。
この分野での先駆けとなっていたのは、ES細胞と呼ばれるものだった。しかしこれは受精卵を使用しなければならないという倫理的、宗教的な抵抗感の強い細胞技術であったうえに、実際に投与した被験体が拒絶反応を示すこともあったため、実用化には高いハードルがあった。
その点、IPS細胞は患者自らの細胞をES細胞へと分化させる技術のため、前述したような倫理、宗教問題をクリアし、なおかつ被験体の拒絶反応も最小限に抑えられるという画期的な代物であった。
しかしIPS細胞にも課題点はある。一つ目はすべての臓器を作れるというわけではないことだ。あくまで細胞を分化し、複製する技術であるため必ずしも新たな臓器を複製できるというわけではない。二つ目はガンのリスクだ。ガンとは細胞の特別変異によって起こる細胞異常のことを指すが、IPS細胞は遺伝子の情報を書き換える技術のため、異常をきたす可能性が高まる。結果的に発ガンのリスクを高めてしまうことに繋がるのだ。
とはいえ、問題点を踏まえながらもすでにIPSは実用されつつある。2014年には、加齢黄斑変性患者にIPS細胞から作った網膜が移植された。また2018年には心臓や脳への治験がすでにスタートされている。IPS細胞で作った細胞をもとに新たな治療薬を作り出す技術である「創薬」は京都大のチームが「進行性骨化性繊維異形形成症」に効果がある薬を開発して一定の成果を収めている。このようにIPS細胞を基にした新たなアプローチが広まっていることは事実だ。
再生治療は宗教的、倫理的の問題が絡む複雑な医療分野の一つであるが山中教授の功績は間違いなく、医療界に大きな進展をもたらしたことは間違いない。今後も山中教授はIPS細胞、再生医療分野の第一人者として新たな発見をもたらしてくれることだろう。

904文字 15分